耐震住宅100%実⾏委員会

耐震住宅100%レポート

熊本地震波による耐震等級検証結果に基づいた 「耐震100推奨基準」を発表。

2019年9月26日
耐震住宅100%

プレスリリース

一般社団法人耐震住宅100%実行委員会
2019年9月26日


熊本地震波による耐震等級検証結果に基づいた

「耐震100推奨基準」を発表。


2014年から任意団体をして発足し、2017年から法人化した一般社団法人耐震住宅100%実行委員会(代表理事;田鎖郁夫)は、2019年9月26日(木)に第3回シンポジウムを開催(場所:東京国際学術センター/伊藤謝恩ホール)し、この度、熊本地震波に基づいたシミュレーション結果にもとづき、「耐震100推奨基準」を発表いたしました。

■「耐震100推奨基準」
 一般社団法人耐震住宅100%実行委員会では、木造住宅における壁量計算(注1)において、建築基準法と品確法による耐震等級1の壁量の違いについて、当団体独自の調査検証を村上木構造デザイン室協力により行いました。
検証した物件については、2016年4月14日に発生した熊本地震において、実際に被災された物件プランで、それぞれwallstat(ウォールスタット)(注2)で、各耐震等級の必要とされる壁量について当団体独自に調査検証を行い、以下の3点の検証結果を報告させていただきます。

  1. 建物の耐震設計基準として、建築基準法と耐震等級1は同レベルとされていますが、当団体独自の検証により、建築基準法と品確法による壁量計算を想定した耐震等級1、構造計算による耐震等級1は、それぞれ必要な壁量が異なる結果となりました。下記に示す倍率は、建築基準法で必要となる壁量に対して、それぞれの検討レベルで必要となる壁量の倍率を示すものです。注1)上記倍率は、今回の検証プランによるものであり、プランにより数値は異なります。詳細は注2をご覧ください。
  2. 品確法で設定されている壁量計算による耐震等級1(基準法レベル同等)、耐震等級2(建築基準法レベル25倍)、耐震等級3(建築基準法レベル1.5倍)では簡易計算が行われていますが、今回の当団体独自の調査検証結果では、
    耐震等級1=建築基準法レベル1.26倍(1倍)
    耐震等級2=建築基準法レベル1.58倍(1.25倍)
    耐震等級3=建築基準法レベル1.91倍(1.5倍)
    となり、基準となっている壁量よりも、余裕を持った設計をすることが必要であることが判明しました。
  3. 今回の検証結果から、建築基準法による壁量計算と品確法による耐震等級の順番は以下のようになり、全7ケースをwallstatによるシミュレーションを行ったところ、構造計算を行った耐震等級3以外は倒壊した結果となりました。

    注2)本シミュレーションの検討条件を下記に示す。
    ・地震時の耐震性評価に限定。耐風や積雪は考慮しない。
    ・評価する耐震要素は、構造用合板片面貼(壁倍率2.5)のみ。
    ・各評価基準で最低限満足する耐震要素(壁量)を設ける。
    ・基礎地盤は考慮しない。
    ・シミュレーション用の地震波は熊本地震の本震を採用(余震データは採用しておりません)。

■「耐震100推奨基準」について

以上の検証結果から、一般社団法人耐震住宅100%実行委員会では、「耐震100推奨基準」を提案し、耐震住宅に向けた指標となる独自基準として、会員とともに運用を行ってまいります。この「耐震100推奨基準(仮称)」は、今後の検証結果を踏まえて、随時改訂してまいります。

  • 新築住宅耐震100推奨基準

  • 中古住宅耐震100推奨基準

【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
一般社団法人耐震住宅100%実行委員会
事務局長 : 松延(まつのべ)
TEL:03-6872-5601(平日 10 時~17 時)
E-mail:matsunobe@taishin100.com