What's 耐震

第6回 耐震住宅を建てられる工務店の見分け方は?

2018年9月14日

今回は「耐震住宅を建てられる工務店の見分け方」というテーマについて解説したいと思います。

まず、皆さんが注文住宅としてご自分の家を建てる際に、その依頼先の選択肢としては大きく分けて3種類に分かれると思います。

1) 大手ハウスメーカー
2) 地元の工務店
3) 設計事務所

1) 「大手ハウスメーカー」は、総合住宅展示場に出店して、TVや雑誌にも広告が出ている認知度が高く規模も大きい住宅会社です。全国規模でなく地域限定であっても、多くの棟数を手掛けている「地場ビルダー」と言われるような会社もこのカテゴリ―に入ります。イメージとしては、「耐震や省エネなどの性能的な部分は安心だけど、あまり融通が利かなくて価格も割高」という感じではないでしょうか。

2) 「地元の工務店」については、棟数は少ないけど地域限定で住宅を建てている会社のことです。会社の数は多く、その特徴は多岐にわたります。一般的なイメージとしては「融通が利いて価格も割安そうだけど、耐震などの性能面については少し不安」と思われている方が多いようです。

3) 「設計事務所」とは、いわゆるデザインや設計業務を専門として受ける依頼先で、施工については②のような小規模の工務店が担当する家づくりの形態が多いようです。間取りの自由度やデザイン性が高いのが特徴です。しかしながら、デザイン重視になりがちで、耐震性などの性能面は重要視されていない設計事務所もまだまだ多いようです。

これらはあくまでも一般的なイメージではあります。そのイメージは大きく間違ってはいないとは思いますが、地元の工務店であっても耐震性にこだわって安心な家づくりに取り組んでいる会社は確実に存在します。大事なことは、その見極めです。その見極めができれば、大手ハウスメーカーでなくても、地震に強い「耐震住宅」を建てることは充分可能なのです。

ここではその耐震住宅を建てられる工務店の「見極め方」を解説したいと思います。

 

ホームページに耐震の解説ページがあるか

家づくりを検討している方が工務店を探すときには、必ずと言っていいほど、ホームページを見ると思います。そこで、「耐震」についてしっかり解説してあるページがあるか否かは大事です。もちろん、ホームページにそのページがなくても、耐震性の高い家づくりをしている工務店もあるかもしれません。しかし、まずは自社のこだわりとして「地震に強い家づくり」というテーマが全く記載されていないようだと不安ですよね。

耐震についてどう説明するのか

そして、そこに書かれていることに加えて、営業担当者や社長さんと面談した時に、どんな説明をしてくれるのかということが大事です。いくらホームページやカタログに良いことを書いてあっても、実際にそれが実行されているのかも確認すべきでしょう。
一番良い方法は「耐震」についてダイレクトに聞いてみることです。

「おたくの会社では耐震についてはどのように考えていますか?」

このような質問をすることで「耐震性を重要視している方」という判断をされるはずです。「耐震性にこだわっている工務店」にとっては、相性の良いお客様であると思われるでしょう。この質問に対して、納得できる答えが返ってくるかどうか。そして、それが感覚やイメージの話ではなく、理論的な説明がなされることが大事です。

「当社はヒノキの4寸角を使っているから大丈夫です」とか「腕の良い大工がいるから安心です」というような非論理的な説明しかできない会社は、まず選択肢から外すべきでしょう。最低でも「当社は耐震等級3のレベルの住宅を標準で提案しています」というような、客観的に判断できるような答えを期待したいものです。理想は、「当社は全て構造計算によって安全性の裏付けを持てる設計を行い、そのうえで耐震等級3の家を提案しています」というような話をできる工務店です。

前回までのコラムでも解説したように、家を設計する際にはデザインや間取りを考える「意匠設計士」だけでなく、その家の耐震性を科学的に構造計算によって立証する「構造設計士」と一緒に計画しながら提案してくれることが非常に重要です。それを実践している工務店が、地震に強い家を建ててくれる可能性が最も高い会社ということになります。

それについては、設計事務所に依頼する時も同様です。特に、デザイン力のある工務店や設計事務所の場合、構造的な柱や壁が少ない開放的な空間を設計するケースが多いので、なおのこと構造計算による裏付けが欲しいことになります。

このような説明が面談前のホームページやカタログ等でわかりやすく解説されていればなお良いですね。

建築中の現場を見せてもらうこと

そして、もう一つのポイントとして、建築現場を見せてもらえる会社かどうかということです。当たり前の話ですが、耐震性の高い家にするには「構造躯体」が最も大事です。

しかし、その「構造躯体」は完成してしまったら見えなくなる部分でもあります。よくある「完成見学会」も家づくりの参考には大いに役立ちますが、耐震性を重要視するなら、まだ壁が貼られていない建築中の現場を見学すべきです。「構造見学会」等のイベントとして開催していなくても、タイミングさえ合えば、建築中の現場は必ず見ることはできると思います。

そこで実物を見ながら、構造にかかわる説明を受けてください。設計段階で考えていることが実際の建築現場でどう施工されているかを確認して、納得のできる説明を受けられたらその会社は安心できる工務店である可能性は高いと思います。

このように、これまでの解説を踏まえて、ご自分の目でしっかりと見極めることができれば、地元の工務店でも耐震住宅を建てることは可能なのです。

text.後藤俊二(住宅コンサルタント)